そ よ 風 の 小 径  パート2

第 46 回  マンゴー色のハイビスカス (2014年 9月 1日)

     7月は私の誕生月です。真夏生まれなのにどうしてこんなに暑さが苦手なの?という話はさておき、誕生祝いにいただく

   のは、鉢花が多いのです。

    子育て真っ最中の次女から贈られたのも、7月の太陽を彷彿させる鮮やかな朱色のハイビスカスでした。今までも書か

   せてもらいましたが、私はエネルギッシュで大きな花が苦手でして、

    「どうもありがとうね」

    と笑顔をこさえながらも、心の中で { これは絵にはならないな }と呟いたのでありました。

  そのことを察知したものかどうか、ハイビスカスの成長

 がとまりました。

  プレゼントされたときに付いていた2~3個の莟が開き

 終わると、青青とした艶のある葉の茂みが残されて、そ

 れは寂しい限りの一鉢となったのです。

  注意深く観察してみても、新しい莟を宿している気配

 は乏しくて、これでおしまいなのかな、と諦めたのでした

 が、それから数週間が過ぎたとき、新しい莟が幾つか

 頭をもたげてきたことを発見!

  { お!これはいいぞ } と思う間もなく直径15センチはあろうかという花が咲き出したのです。心なしかいただいたときの

 色よりもまろやかに変身してのお出ましです。

  花鉢に添えられた説明書を見ると、アドニスマンゴーと命名されていて、言われてみれば確かにマンゴーを連想させる

 豊かな彩りが秘められていることを感じました。

  今、盛んに描かせてもらっているのがそのマンゴー、いえ、ハイビスカスなのですが、スケッチしながら思うのは、子育て

 中で常に経済的に余裕がないことを歎いている次女の横顔であります。

  若い頃には経験しがちなことではありますが、それもまた過ぎてみればいい思い出。そんな経済状態の中で素敵な鉢

 植えを選んでくれた娘に、言葉では告げにくいけれど { ありがとう ♡ }そのうち美味しいものでもご馳走するからね。

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