そ よ 風 の 小 径  パート2

第 44 回  紫  露  草 (2014年 7月 1日)

   梅雨に咲く花といえば、まず思い浮かぶのが紫陽花でしょうか。でもこの季節の主役はなにも紫陽花に限りませんで、静謐な

  趣の花々が限りあるときを咲き競っていることを知るのです。

   露草、ドクダミ、紫露草などがそれですが、今年はとりわけ紫露草が気になるのはなぜでしょう。

   かれこれ10年以上も前から我が家のベランダの住人であるこの花は、まずは小さなポット植えのものを買い求めてきたの

  でした。それを直径30センチほどの鉢に移し替えて以来、水をあげるだけで毎年卵円形の花びらをつけた花を次から次へと

  咲かせてくれるのです。

  正直言ってその存在を忘れて過ごす夏もあります。

 それだけ自己主張しない花なのです。

  ただ律儀に、梅雨が来れば咲き始めて、秋の始まる

 頃まで休みなく咲いて、ちょっとくたびれたように萎れて

 いきます。本当はそろそろ株分けをして広い場所に移

 してあげたほうがいいのでしょうけれど、限りあるスペ

 ースで花作りをしているので、現状維持で咲き続けて

 もらうしかありません。

  そんな労いの思いも込めて、久し振りに紫露草を描

 かせてもらいました。

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