そ よ 風 の 小 径  パート2

第 40 回  菜 の 花 (2014年 3月 1日)

   菜の花といえば、まず思い浮かぶのが与謝蕪村のこの俳句です。

     菜の花や  月は東に  日は西に

   幼い日に、日常的に見ていた風景そのものだったからでしょうか。

   黄色い四弁の花の集まりとその茎に残る種のさやの序列のリズム、それになんといっても若緑の葉と例えようもなく
  
  明るい黄の花の調和。菜の花畑を前にすると春が来たんだなあ、と実感せずにはいられません。

  豊橋に近い渥美半島では、2月の声を聞くと早や菜の花が

咲きだしたということをテレビが伝えてくれます。

 菜の花は本来は、菜種油を採るために栽培されていたのが

近年では切り花や食用などでも売られるようになりました。

 春たけなわの頃になると、菜の花畑で見られるのとそっくり

な花が、川の土手や花壇やそのほかの畑でも見られるように

なります。でもよく観察すると、葉っぱの形や茎の色が少しず

つ違っていることに気がつくのです。

  それはブロッコリー、白菜、キャベツ、小松菜など、いろいろな葉っぱからやがて菜の花が咲き出すからで、スーパーで買い

 求めた野菜に花の蕾が付いていたりすると、私などは大喜びで土に植え替えたりコップに水を入れて栽培したりして楽しんで

 います。もっともそうして花を楽しんだ後の葉っぱは、もう美味しくないですけれど、ね。

  3月の花の水彩画教室では、そんな菜の花のあれこれを描いてみる予定です。

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