そ よ 風 の 小 径  パート2

第 3 7 回  ガ ー ベ ラ の お 手 本 (2013年 12月 1日)

   花の水彩画教室では毎回さまざまな花のお手本を用意するのですが、今回選んだガーベラは十数年の歩みの中で初めての

  登場になります。

   前回のコスモスとか梅雨時に咲く紫陽花などは、すっかり定番になっているのですが、その理由はどうしても講師の好きな花

  にかたよってしまうようです。

   とはいえ、ガーベラが好きでないかといえば、決してそんなことはありませんで、部屋に飾ることはあるのになぜか描いたこと

  がないという、ただそれだけの理由でした。

  それを描いてみようと思ったきっかけは、最近娘さんに伴われて水彩画教室

に参加されるようになったご婦人の一番好きな花であることを伺い、喜んでもら

う顔が見たくなったことです。そして今度ガーベラが花屋さんの店頭に並んだら

一鉢求めてスケッチして準備しようと思っていた秋の初めに、切り花も鉢植えも

それこそ多種多様のガーベラがお目見えしたのでした。

 確か春にも見かけた気がしたのですが、ガーベラって季節はいつ頃が旬の花

だったかしら、と思いあぐねてちょっと調べたら、なんと春から秋までの長い期間

咲くものだったのです。南アフリカ原産のこの花は、どうやらタフな性質を身につ

けているようです。

 キク科に属するこの花は、別名をアフリカタンポポ{絵を描く者として納得}とい

ってひとつの花に見えるけれど、実は二種類の花の集まりで、花弁のように見え

るのが舌状花で中心は筒状花という小さな花の集まりになっているのだそうです。

  このような花の集まりを頭花{頭状花序}といって、キク科の特徴であるということでした。ほかにもマーガレット、コスモス、ダリア

 ヒマワリなどが同属であることを知れば、これからの創作にさまざまなヒントを与えてくれるというものです。

  単純ですっきりしたキク科の花の形は、描きやすいモチーフだと思って水彩画教室に持ち込んだのですが、意外やベテランの

 方からとても難しいというお言葉を頂戴しました。どうやら花びらの重なりの表現が、思うようにいかないようでした。実は私も思っ

 たよりも難しくて、随分練習を重ねて本番に臨んだのでした。

  でも赤、黄、ピンク、オレンジ、白という豊富な花色に恵まれていて、形や種類も多様なガーベラは、描いていて楽しくなる花で

 あることを知りました。栽培も意外と簡単で、花友の中には自宅の庭で春と秋にお目見えするこの花を、大事に育てている人も

 いることを、今回初めて知りました。

  ダイナミックにも可憐にも描きうるこの花を、どんなふうに表現してホームページに載せようかと思いあぐねているところです。

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