そ よ 風 の 小 径  パート2

第 3 5 回  ど ん ぐ り (2013年 10月 1日)

   クヌギ、カシ、ナラ、カシワなどの果実の総称。ブナ科、デンプン質に富む。一部、または全体を殻斗に覆われている。

   秋の野山を散策していると、どこからともなく木の実が落ちてきては、帽子のつばに当たって転がっていきます。その先を

  たどると、まあるいどんぐりが、いたずら坊主のように草むらの中でかくれんぼしているのです。

   そんなとき、思わず口ずさむのが童謡の{どんぐりころころ}なのですが、その種類たるや膨大なもので、実は9月の水彩

  画教室のお手本に、自分の心の中にあるイメージとしてのどんぐりを描いてみたのはいいのですが、これが正確にはどん

  ぐりの仲間のうちで何にあたるかということを調べるのに難儀しました。

   大筋で{どんぐり}とは、ブナ科の木の実を総称したものであり、狭義には{食用に適さない実}ということになるでしょうか。

   いずれにしても、山などで拾ったどんぐりの種類を調べたいときは、その帽子も必ず拾ってきましょう。その組み合わせ

  があれば、図鑑などと照らし合わせることで、正確な答えが導き出されるからです。え?どんぐりごときでそんなに真剣にな

  るな、ですって。おっしゃるとおりです。はい。
      

  さて、どんぐりの食品化についてインターネット上でこんな面白い

記事を見つけました。どんぐりは渋み{おもにタンニンやサポニン}

が非常に強く、一般に人間がそのまま食用するには適さないけれど

一部の種では甘みがあって渋みがなく、渋抜きせずに生、あるいは

炒ってそのまま食べられるものもあるとのこと。縄文時代には渋抜

きしたものを食用にしていたと考えられている。その後も食糧難時

代に食されていた記録もあるのだそうです。熊や野ねずみ、リスな

どのほ乳類にとっては、デンプンを蓄えたどんぐりの実は大切な食

料であることは、言うまでもありません。

  かつてどんぐりが不作だった年に、北陸地方で多数のツキノワグマが人里に出没した話は、記憶に新しいところですね。

  ところで皆さん、ツキノワグマは冬眠するまでにどれぐらいのどんぐりを必要としているかご存じですか?実は私も想像だに

 できないのですが、インターネットでは、野生動物のことも考えてどんぐりを拾うときは遠慮がちにしましょうと添えられていまし

 た。心に留めておきたいと思ったことでした。来るべき冬に向かって、一生懸命どんぐりを集めている動物の姿を想像するだ

 けで楽しくなるというものです。

      どんぐりころころ  どんぶりこ  お池にはまってさあ大変

      どじょうが出てきてこんにちは  坊ちゃん一緒に遊びましょ

  
      どんぐりころころ喜んで  しばらく一緒に遊んだが

      やっぱりお山が恋しいと  泣いてはどじょうを困らせた

  この牧歌的な童謡を作ったのは、宮城県松島町出身の青木存義だそうです。この歌の続きがあるのをご存じですか?

      どんぐりころころ泣いてたら  仲良し子リスが飛んできて

      落ち葉にくるんでおんぶして  いそいでお山に連れてった

  というのだそうです。でも・・・・・と思うんですけど。リスの好物はどんぐりでしたよねえ。確か。

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