そ よ 風 の 小 径  パート2

第 3 4 回  緑のカーテン (2013年 9月 1日)

    「ねえ、今日はどうだった?」

    「25匹捕まえたよ」

    「すっごーい!!」

   2ヶ月ほど前に繰り返された夫婦の会話です。解説しますと、ベランダの葡萄棚にいつの間にか産み落とされた{多分}

  蝶か蛾の幼虫を見つけて退治した数ということになります。

   数年前にスケッチするために購入した鉢植えの葡萄が、夫の丹精を得て、ベランダの手摺りの半分を占めるほどのミニ

  葡萄棚に成長しました。立派な緑のカーテンです。

   陽の光がさんさんと当たり、風通しもいい環境の中で、健康に育っている姿を眺めるのは、至福の時間です。
      

   葉の成長ばかりか、房の数も夥しくて、今年の秋は葡萄を買わなくても

 済むかも知れないね、でも熟したらあの食いしん坊なひよどりがやってき

 て、煩わしくてしょうがないかもね、などと話していたときに、ふと気がつき

 ました。枝分かれして伸びていく柔らかい葉が、どうやら何者かに食われ

 始めているのです。この手のことは、植物栽培をしていると良くあることで、

 大切なのは速やかに原因をつきとめて除去することです。

  じっと目をこらしてみると、いました、いました。透き通った芥子粒程の

 虫がちらほらと。

  さっそく万端の注意力を注いで駆除に励んだことは、言うまでもありま

 せん。最初の時点でやっつけたのは、50匹ほどだったでしょうか。まあ

 これだけ徹底すれば、大方はいなくなっただろうと高をくくったのが間違

 いでした。

  その後も日を追う毎に葡萄の葉には、レース模様が広がり、その葉には芥子粒大の頃よりも成長した幼虫が、居座って

 いるというありさまです。そこで、毎朝葡萄の葉を一枚一枚点検して幼虫をやっつけるという作業が、しばらく続きました。

  そうこうするうちに、お店の店頭にもさまざまな葡萄が、並び始めました。

  ホームページで枝付きの葡萄の絵を見かけたら、この話を思い出してくださいね。

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