そ よ 風 の 小 径  パート2

第29回  ど根性ヒヤシンスの話  (2013年 4月 1日)

   我が家のベランダは、絵のモデルになってもらう花たちを育てる場所です。季節が変わる度に花たちも入れ替わります。一年草

  二年草、宿根草、植え替えたり買い求めたり年を越したり・・・その管理はマネージャーである夫の仕事です。その夫が言うには、

  古土を集めて保管してある容器の中で、身に覚えのない3〜4センチの芽が出ているというのです。

   その容器には木の蓋がかぶせてあったから、おそらく一年近く陽もあたらなかったろうし、水だってほとんど無いような状態だっ

  たということでした。

   なにはともあれ、その芽の正体を知るべく小さな鉢に移し替えて、育ててみることにしました。すると間もなく、ヒヤシンスの花芽

  がついて、順調な成長を始めたのです。

  もっとも日陰の身を長いこと続けたために、花数は少ないものの、冬の空の色

 に似たセルリアンブルーに少し紫が入った色彩を宿した小さな花は、日頃から

 花を描いている私の心にぴったりと寄り添い、{描いてごらんなさい}と誘ってく

 るのでした。

  うまく描けるかどうかは別として、この花に出会えたことが嬉しくて、今スケッチ

 を重ねています。

  願わくば、4月の作品展には小さな額に収めてお目にかけることができますよ

 うに。

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