そ よ 風 の 小 径  パート2

第23回  芳潤の季節  (2012年 10月 1日)

      今回、絵の題材に野菜や果物が多いのは、ひとえに美しい野菜と果物に恵まれたからであります。

      残暑厳しい9月の半ばに、花友から自家菜園でたくさんの野菜が採れたからおいでという誘いを受け

    ました。出掛けてみると、採りたての茄子、ゴーヤ、シシトウなどを紙袋一杯に用意してくれていて、ゴー

    ヤのレシピまで添えて手渡してくれたのでした。

     早速帰宅して、ダイニングテーブルにそれらを並べてみると、茄子の紺色がどうしようもなく見事に輝

    いていて、これはもう描くしかないなと、思ったのでした。

     今までにも一本単位で描いたことはあるのですが、構図を取るとなるとなかなか難しくて難儀していた

   のですが、スケッチを重ねるうちに納得ゆく出来栄えになったので、急いでF6サイズのアルシュ紙に収

   めました。

  翌日の豊橋教室に昨日描いたばかりの茄子を

 持参すると、そのことを予期していたかのように

 また綺麗で新鮮な茄子を持参した生徒さんがいて、

 すっかり茄子の魅力のとりこになってしまいました。

  こうなったら、枝付きの茄子{できれば花もつい

 ている}を描きたいと思って花屋さんを探したら、

 これから実る予定の一鉢を手に入れることがで

 きました。

  そんなわけで、ただ今私のアトリエは花の代わりに季節の野菜と果物が、所狭しと並べられています。

  それで気がついたのですが、花は短時間でフォルムが変化するのに比べて、野菜や果物はある程度、色や

 形をキープしているので、描きやすいというメリットがあるのです。

  時まさに実りの秋、芳潤の季節真っ只中に私達はいるのですね!!

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