そ よ 風 の 小 径  パート2

第22回  八手  (2012年 9月 1日)

     子供の頃、どの家の庭にも植えられていた八手。当たり前すぎて描く対象として見ることはなかったのですが、ここにきて

    どうしても描いてみたくなりました。

     花屋さんで、適当に育った発育のいい鉢植えを買ってきて、玄関先の狭いスペースに置いてみました。日当たりは、いま

    いちだけれど、特性が半日陰を好むと書かれていたのでそのまま様子を見ることにしたのです。一年前のことになります。

     秋が過ぎ、冷え込む日が続いた頃、茎の頂に白色の小花が集まった花序がつきました。何とも大らかなその様子に魅了

    されました。

     これはどうしても絵にしたいものだと思い立ち、スケッチを重ねたものの、私の遅い歩みにはついて行けませんというよう

    に、スケッチ半ばで花は萎えてしまいました。

  でも、茎の先端に集まって互生する八手の葉の生命力が気に

 入って、観葉植物として、例えば向日葵を花瓶に活けるときなど

 に、傍らに添えてみることにしました。それがとても良く合ったの

 で次に色づいたカラスウリの実を八手の葉の上に置いてみまし

 たら、これもナイス!八手は名脇役といったところでしょう。

  聞くところによると、観葉植物として欧米に紹介された八手は

 日本以上に欧米での人気が高いそうです。

  今年も花が咲く頃に八手にチャレンジしようと思っていたら、

 なんとこの暑さが災いしたのか、或いはほかの要因でそうなっ

   たのかわからないまま、どんどん葉の色が茶を帯びて枯れ始めたのです。

    そうなると {どうしても描かなければ!!} という思いが強まるようで、あっという間に8Fの作品が出来上がりました。

    果たして枯れかけた八手は復活するでしょうか。もともとたくましい生命力と、葉の形から邪悪なものを防ぎ退散させる

   力があると信じられてきたために、各家庭の庭や玄関先に植えられてきたという八手のことですから、一休みしたらまた
   
   根っ子の先から元気な新芽を出してくれることを期待しましょう。
    
    そのときは、もう一度絵にチャレンジしますからよろしくね!!

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