そ よ 風 の 小 径  パート2

第7回  豆科の花々  (2011年 5月 22日)

   咲き終わったあとで豆をつける植物を 「豆科の花」 というふうに分類していますが、食べられるものとそうでないものを

 含め、実に多彩なこれらの花を紹介しましょう。

  まずは蝶の舞を連想させるやさしい花姿を持つスイトピーですが、「別離」 「門出」 という花言葉を持つためか、最近は

 卒業祝いの花束に欠かせない花になっています。この花が店頭にお目見えすると春が近いことを予感して心が浮き立つ

 のです。

  同じ豆科の花でも豌豆は野菜の花です。美しい花を観賞した

 あとは、食することができるという、有り難い植物です。この花

 のミニチュアの如く、春に先駆けて川原などの土手に咲き出す

 カラスノエンドウは、雑草として扱われていますが、可愛い花を

 愛でる人の手で鉢植えや一輪挿しにも使われています。

  私もこの季節には、一握りのカラスノエンドウを摘んできては

 絵を描く机に置いて、モデルになってもらうのです。  

  生命力の強い植物で、葉の先端にある3つに分かれた巻き髭が、同じ机の上の絵筆や鉛筆に絡みついて往生した

 りするのです。そんな時、ふと浮かぶのは加賀の千代女の名句

     朝顔に  釣瓶とられて  もらひ水

 ですが、私の場合はいたずらっ子を諭すように 「やれやれ・・・・」 とため息をつきながら巻き髭をほどくのでした。

  私の絵によく登場してもらう豆科の花には、この他レンゲソウやアカツメクサ、クサフジなどがあり、いずれも野に出

 て初めて出会うことができる野の花々です。

  そういえばもう既に、散り終えてしまった藤もまた豆科の仲間でしたね。

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