そ よ 風 の 小 径  パート2

第6回  ムラサキハナナのこと  (2011年 4月 24日)

   春まだ浅い頃、山里を歩くと一面に紫がかった風景に出会うことがあります。それがハナダイコンで、他にもいろいろ

  な呼び名があり、ショカッサイ、ダイコンバナ、オオアラセイトウなどと呼ばれていますが、私が一番好きな呼び名は、

  「ムラサキハナナ」です。

   それらの呼び名から想像できるように、大根の花に似た薄紫色をした可愛らしい花です。いつか水彩画教室のお手

  本にしたいと思ってそんな話をしてみたら、生徒さんの一人がその花なら家の庭にたくさんあるからクラス全員の分を

  持ってきましょうと、言ってくれました。

  果たして当日、山のような花束を携えて、教室に現れた

 その人に

  「これだけの量を収穫するのは大変だったでしょう?」

 と労うと、昨日の夕方にご主人と二人で頑張ったのだと

 教えてくれました。

  夕暮れ迫る中で、一生懸命花を摘んでくれたご夫妻の

 姿を想像していたら、爽やかな風が心の中を吹き抜ける

 のを感じました。  

  そういえば、ムラサキハナナはそよ風が似合う花です。春の野に吹く爽やかな風を感じながらムラサキハナナの

 作品を鑑賞していただければ、幸いです。

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