そ よ 風 の 小 径  パート2

第4回  雪の梅林園  (2011年 2月 20日)

  2月11日、今年の建国記念日は朝からシンシンと雪が降っていました。私の住む豊橋市ではめったに降らない雪です。

 それなのに午前10時を回っても一向に止む気配はなく、更に降り積もるようすに、はたと思いついたのは、今を盛りと咲

 く梅園の梅と椿をスケッチしに行こうということでした。

  いくらお人好しの夫でも降りしきる雪の中、梅園に行くなどという話には、乗ってこないだろうと思いながら、一応誘って

 みました。すると何と一緒に行くというので、車で出掛けることになりました。

  自宅から直線距離で2キロほど離れた場所に、豊橋市の管轄する向山梅林園があって、市民の憩いの場所になって

 います。1月下旬から梅祭りの昇り旗が立って、梅園の中央広場にはおでんや甘酒を売る売店なども登場しました。

  天気のよい日には穏やかな日差しに誘われて、子供連れや年配のグループなどで賑わいをみせています。そんな日

 に見る梅もいいけれど、めったに降らない雪の中で雪を湛えた様子をちょっと見てみたいと、そんなことを考えて出掛け

 てみたのです。冷たい風が吹きつけ、降りしきる雪の悪天候では、梅林園には誰もいないだろうと思いながら。

 ところが驚いたことに、ご同輩が結構いるもので、あちらこち

らで雪景色の梅園と対峙している人に出会ったのでした。

 もっとも持参していたのは、私と違ってスケッチブックではなく

カメラでしたが。

 かじかむ手での雪の中の梅や椿のスケッチには我慢の限界

がきてしまい、スケッチをやめて雪中観梅となりました。水分を

含んでまったりと膨らんだ雪が降りしきる梅園を歩きながら、い

つかこんな風景に出会ったことを思い出していました。それは、

なんだか懐かしい匂いを含んだ甘い記憶でした。  

  向山梅林園には樹齢約35年、27種の梅が400本ほど植えられていますが、梅林園の周囲には椿や山茶花、桜も

 あり、その季節が来るとよくスケッチに出掛けています。今回の雪の中で描いたスケッチにおひな様を添えたりして、

 幾つかの絵が出来上がりました。2月の部屋やトップページに紹介していますのでご覧下さい。

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