第11回 梅雨まっただ中・・・・・・紫陽花そして紫陽花   (2003.7.6)

 もしかしたら私、カタツムリの生まれ変わりではないかしら・・・、そう思える

ほど梅雨が好きです。いいえ、本当はこの季節に咲く紫陽花が大好きで雨

雲が立ちこめてくると、もうそわそわなのです。なぜって、小雨に煙る中の

紫陽花は晴天のそれととは大違い。恋をしている少女のような初々しさが

とても良いのです。そんなわけで、そぼ降る雨もものともせずにスケッチブッ

クを抱えて紫陽花に逢いにゆくというわけです。

 

七変化とも呼ばれるように、紫陽花は一つの季節の中で様々な表情を見せてくれます。

野バラが咲き競っている頃にそっと花開く準備を始めた紫陽花の色は萌黄色。それが

先端に微かな水色を宿したあたりからこの花の季節が始まります。コバルトブルーから

ウルトラマリーンへと、青さを増しながらやがて赤みを帯びた紫へと変わってゆくとき、

そろそろ今年の紫陽花とはお別れの準備を始めなければなりません。

  「来年、また逢おうね。」

労をねぎらいながら枝を切り詰めて夏を迎えるのです。

そんなふうにして今年も紫陽花の絵をたくさんたくさん描きました。七夕から始まる作品

展に向けて今、額に納めているところです。できるだけ多くの方々の目に触れることを

願いながら・・・・。

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