新エッセイの部屋

 第 33 回  2008年作品展 ( H20年6月1日 )

  珈琲館ピアで毎年開催する作品展も、早や半月が過ぎました。いつも穏やかな季節に一月ほど店内に絵を

 飾らせていただき、訪れる人との会話を楽しむ。これは私にとって至福の時でもあります。

  けれど、もう一つ楽しみごとがありまして、それは自宅からピアに向かう道のりであります。学校の校区で分け

 た場合、私が今住んでいる場所は羽根井校区ですが、目的地まで行くためには、お隣の花田校区を縦断する

 ことになります。徒歩で20分程になる距離を普段はてくてくと歩きます。荷物が多いときは家族に車で送っても

 らうこともありますが、普段はショルダーバッグ一つに日傘という出で立ちで往復しています。

  一声かけてくだされば迎えに行きますのに、などと言って下

 さる方もいらっしゃるのですが、実はどうしても歩きたい事情

 があるのです。

  花田校区という地名に花の字があるからかどうかは、分か

 りませんが、往く道々にそれこそ花がいっぱいなのです。

  もっともそういう場所を選んで歩いているからかも知れませ

 んが、とにかく季節の花を観賞しながら、心の中で{なんて

 綺麗、なんて素敵!}を連発しているうちに目的地に着いて

 いるといった具合です。

   特筆すべきは、閑静な住宅街の一角にイングリッシュガーデンが広がっていることです。このお宅は、雑誌

  でも紹介されたことがあるほど本格的に庭造りにいそしんでいて、ご夫婦で庭の手入れをしている姿も時折、

  見かけます。道往く人の足を止めるような庭造りをするためには、それなりの努力が要るのだなぁということ

  を感じさせられます。

   ピアに通い始めて半月ほどのあいだに道端の紫陽花たちが色付き始めました。日ごとに変わってゆく花の

  色を見るのも楽しみの一つですが、ベランダで栽培している鉢も含めて今が一番の描き時なのだわ、と突然

  認識して、昨夜は夜なべして紫陽花の絵を描きました。小さな作品ですが、明日にはピアの店内に並ぶでし

  ょう。こんなふうにして作品展も季節に添いながら少しずつ変化してゆきます。

   一度訪れた方も時間が許すならば、またのぞいてみて下さい。6月15日の最終日まで、私もできるだけ

  お店に顔を出したいと思います。水彩画教室のある月曜日と、水曜日を除いてですけれど、ね。

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