新エッセイの部屋

 第 16 回(H 18 年 9 月)  夏の果て 

  暑さが苦手な私は、梅雨明けの声を聞いた途端にひたすら秋の訪れを待つようなところがあります。7月生まれだという

 のに情けないことです。

  それでも夏の朝、というのはいいもので、とりわけ寝苦しさに悩まされた後の早起きは爽快です。夜がようやく白みかけて

 きた頃、スケッチブックを傍らに抱えて早朝に開く花を求めて出かけます。

  子供が小さかった頃は、お弁当作りに余念がなかった同時刻に、こんなふうに気ままな時間が持てる幸せをちょっぴり感

 じながら、スケッチを繰り返します。   

 今年の夏も、そうした時間を経て出来上がった絵が、

いく枚か手元に残りました。

 暦の上で立秋という言葉を聞いた頃には、まだ実感

できなかった秋の訪れを、処暑を迎えた日に風の色で

それと感じました。

 私にしてみれば、バンザイ三唱したいほどの出来事

なのです。

 同じ日に聞いたラジオ番組の中で、今頃(8月末)の

季節を季語で 「夏の果て」 と紹介していました。心動

かされるところがあって、手持ちの歳時記を紐解いて

みたのですが、三省堂のホトトギス新歳時記には、その記述を見いだすことが出来ませんでした。

 でもたくさんのイメージを含んだ良い言葉に出会ったことを喜びました。
 
 まだまだ残暑と戦いながら創作を続けることになりますが、 「夏の果て」 の日々の中で生まれてくる絵との出会いを楽しみ

ましょう。

豊橋市の牛川町に通称1k(イチキロ)公園と呼ばれて

いる細長い公園があります。

自宅からは少し遠いのですが、お気に入りの場所です。

理由の一つに萩の花があるからです。

その萩の花が咲く頃になると、出かけて行きスケッチを

してきます。今年も先日行ってきました。

右のスナップはその時のものです。

エッセイの部屋へ
旧エッセイの部屋一覧へ
トップページへ戻る