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7月の部屋
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                         特別な色、紫に寄せて

    すべての紫なるは、なにもめでたくこそあれ、花も糸も紙も。

    紫の花の中には、かきつばたぞ少し憎き・・・

 平安時代の文学者、清少納言は枕草子の中でそう言っています。彼女は紫という色がいかに高貴であるか、そして

その紫に咲く花の中でもカキツバタの心憎いまでの美しさは別格だというのです。

 この一月あまりを振り返って思うのは、じつに紫という色を沢山使って描いてきたなぁ、という感慨です。実際に梅雨

に咲く花には、この色を湛えたものが多いのです。ホルベインの絵の具で言えば、代表的なパーマネントバイオレット

に始まり、ブライトバイオレット、ミネラルバイオレット、ローズバイオレットなどをいつも絵の具の皿に置いて創作して

いるわけですが、それにコバルトブルー、ウルトラマリン、プルシャンブルーなどを加えることで、更に紫色の幅が広

がります。

 今年の梅雨は、なんだかマリーローランサンになったような気分で、気持ちよくアヤメ科の花々を描いてきました。

 本格的な夏を迎える今頃になって、忘れ物をしたことに気づきました。「 今年は紫陽花を描かなかった!! 」

 しまった、と言うべきか、来年を待ちましょうと鷹揚に構えるべきか、勿論後者を選択することで、大好きな梅雨を

見送ることにしましょう。

【 陽 気 な 友 だ ち 】

 8 月 の 部 屋        (画像クリックで拡大します)