4月半ば、豊橋周辺の桜は既に葉桜となって、次なる季節を迎える準備に入っているようです。宴の後の寂しさ
を感じるのもこの頃。でもそんな思いとはうらはらに、絵筆は次々に今年の花模様を紡ぎ出して止みません。
{ 本当は次のお手本の準備をしなければいけないんだけれど・・・}
と苦笑しながら今年出会った桜を描いています。何しろ眠っている夢の中にまで桜が登場してくるのですから仕方
ないのです。
それにしても、と思うのです。桜はいったいどれだけの ” 顔 ”を持っているのでしょう。新入生を迎える愛らしさや
華やかさ、はたまた匂い立つような艶やかさとは別に神秘的であったり幽玄であったりと言葉では言い尽くせない
余情を表す美の理念に酔いしれて、気がつけば夥しい写真が手元に残り、せめてその余韻を手がかりに描いて
みたら、何枚か気持ちの良い絵が仕上がりました。
今年の桜はなぜか、しだれ桜が多く描けました。以前から描きたいと思っていた、そんな表情が出来上がったと
喜んでいます。
さて、日本列島を北上している桜前線、今どのあたりにいるのでしょう。