<性癖> 暖かい日の射し込む部屋。 そこに一人の男と一匹の黒いネコがいる。 部屋で赤い毛糸に勝負を挑んでいる小さなネコ・高耶を暖かい目でつめる直江。 男はおもむろにズボンのジッパーを下げて話しかける。 「高耶さんこれ何だか分かりますか」 その目は何処までも優しく細い。 「な〜?」 信頼しているのか高耶は遊びをすぐ止めて風のように男の足下へ走り寄ると 喉をコロコロ鳴らしてなすり付く。 「まるで小さな台風ですねあなたは」 「んー」 「それより…」 ズボンから引きずり出した長いものを高耶に向かって見せる。 「ほら、恐くないから握ってみてください」 たかや「?」 男の腰下に生える赤黒いマグロのような実に高耶は興味津々。 その小さいお手てを迷いなく運ぶとおもむろに鷲掴む。 『ぎゅっ☆』 「っう」 蛙を潰したような奇妙なうめき声がどこからか聞こえた、が高耶は気にしない。 男の様子がなんだかおかしいことにも気づかず 握った手の中の反応の無いマグロにさらに力を込めてみた。 ついでにに揉んだりつねったりもしてみる。 (なんか堅くなってきた…) 今まで生暖かくふにゃふにゃだったグミが棒を差し込んだかのように芯をもち 独りでに立ち上がる。 「はぁ………高耶さん…ッあなたって人は」 「???」 「なんてテクニッシャ…………くっ……さ、最高」 天井を仰ぎながら熱い息を吐きうっとりと呟く男(変態) そうこの男の一連の常軌を逸した行動の原因は 動物を使ってオ○ニーという一度はまると抜けられない困った性癖の所為だった。 それはもう予想も付かない動きと刺激に最高の快感が待っているという。 ペットは無我夢中で転がし遊ぶ。 男の絶頂ももうそろそろのようだった。 主人のバカな性癖に弄ばれる哀れなオナペット高耶は 今日も「ソレ」が「ナニ」か気づかずに握り、汚されていく。 この家では毎日こんなことが繰り返される。 すえた性臭が漂う中、それはごくありふれた日常の風景だった。 終 |