追悼民家
今は、この世に無いすでに消滅した民家たちをご紹介いたします。
いつかは、消え去る運命なれど、いつまでも残っていて欲しかった「美しき家」たちを、
今ここに・・・・。
   

沢家住宅
大阪府和泉市坪井町

当家は、大阪府の民家緊急調査の対象となった家である。中世豪族の系譜を引く家柄に相応しい、素晴らしい家であった。初めて訪れたときは、文化財指定も受けずに、よくぞ残ってくれたという感動を覚えたものであるが、平成11年頃、焼失した。紀州田辺藩の安藤家から譲り受けたという表門は、幸いにして残されたが母屋や背後にあった蔵等は無くなり、荒涼とした空間が虚ろである。当家については、創芸出版「大阪の民家」にも掲載されています。
岡田家住宅
大分県臼杵市

当家の来歴、詳細は不明です。たまたま通りがかった時に見つけた民家です。母屋の背後にあった蔵の雰囲気から、おそらく小規模に造り酒屋を営んでいたのではないかと思われますが定かではありません。写真は1999年10月に撮影したものです。2001年5月頃に再び通ったときにはすでに取壊されていました。高速道路のインターチェンジ建設の為でした。このときから公共工事が大嫌いになりました。これほど素晴らしい家が一顧だにされずこの世から消え去って良いものか。

後藤家住宅
愛媛県松山市久米町

これほど重厚感のある町屋は、もう松山には残っていないのではないだろうか。松山の中心部からわずか郊外の久米という交差点に面して建っていた。造り酒屋を営んでおられたようで、屋敷背後には大規模な酒蔵が軒を連ねていた。恐らく2001年頃に取り壊されたようである。往来が激しい場所にあったので、痛々しい姿をずいぶん曝していたが、私は納得がいかない。


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