旧渡辺家住宅
Watanabe



 
福島市指定有形文化財
旧所在地・福島市上名倉字吉内13番地
建築年代・江戸時代後期(19世紀初期・推定)
用途/農家
指定範囲/主屋
面積・175.80㎡(48.00坪)
構造・木造 寄棟造 平屋建 茅葺
復原年・昭和59年(1984)3月
旧渡辺家は上層農民住居で、幕末には庄屋であったとの口伝や、菩提寺の寄進書から元禄年間には定住していたこと、分家があったことなどが判っています。当時の上層農民住居の平均規模は約45坪程度であることから、建坪48坪の旧渡辺家はそれよりやや大きくなっています。
この住居の特色は、この地方には珍しい「とおりのま」と呼ばれる通路が屋内にあることで、幅1間にも及ぶ通路を設けた住居は県北地方に類例がありません。又、「どま」の前の軒下吹き放し部分があることなども特色の1つに挙げられます。「なんど」にある「とこ」や板畳の造作は大切な客を迎えるための奥座敷の機能の一部を併せ持っていたと考えられます。「どま」の占める面積が狭いことから、「うまや」「納屋」は附属屋として別棟になっていたものと思われます。住居の外の「便所・風呂場」では、身体を洗った水を「水肥」として便壺に流し、大切な肥料として使用しました。井戸は滑車を通して水を汲み上げる「車井戸」です。民家園内に同じく移築保存されている上層農民住居の旧奈良輪家より40~60年後の建築ですが、比較するとその違いがよく理解できます。 (福島市民家園発行のパンフレット及び現地案内看板を一部改訂)




 

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