旧馬場家住宅
Baba



福島市指定有形文化財
旧所在地・福島県南会津郡南郷村宮床字居平528番地
建築年代・文化4~5年(1807~1808)
面積・200.80㎡(54.60坪)
構造・木造 寄棟造 平屋建(一部中二階)曲棟付 茅葺
復原年・平成7年(1995)3月
旧馬場家は、東北地方でも指折りの豪雪地帯である南会津郡南郷村の旧沼田街道(現国道289号線)沿いに建っていた上層農民住居です。
この民家は、正面左手に「中門」と呼ばれる鉤型に突き出た部分「中門棟」があり、一般に「馬屋中門造」と称されています。この中門は、先端が出入口になっていて、中に馬屋や便所があり、人と馬が一つ屋根の下で生活していました。この部分の屋根は本を伏せたような山形の形状をした「切妻造」で、屋根に積もった雪が出入口には落ちず、両脇に真っ直ぐ落ちるため除雪量が少なくて済み、特に秋田、宮城、山形、福島、新潟などの深雪地域に多く見られる建前です。建築面積200.4㎡(約55坪)は、この時期の民家としては相当に大きなもので、正面右手の主棟には、居間である「おめい(御前)」、その奥に小寝室を仕切り、上手端には梁間の大きさを利用して前後に3室を並べているのが特徴です。中門棟には藁などを保存する中2階を設けており、この地域の馬屋中門造の形態や設備の特色をほぼ全て揃えています。
会津地方は雪が深く、当時の農民にとって農耕には馬がとても重要な存在だったため、出入口の除雪量が少なくて済むことや冬季の馬の世話の都合を考えた農民の工夫からこのような形態の家が作り出されたと云えます。 (福島市民家園発行パンフレット及び現地案内看板より一部改訂)


 

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