宮良家住宅
Miyara



 
宮良家の御当主にいろいろお伺いしたこと、本にも載っておらず成程と思うこと少なくないので記しておきたい。 
@台所の位置については夕刻にも日が差し込むように主屋の西側に持ってくることが一般的。すると必然的に座敷は主屋の東側に設けることとなる。
A座敷は床差し天井となっているが、南からの日差しが天井の棹縁によって遮られることのないように合理的な理由からのことである。
B柱の材質はイヌマキを使用している。これは白アリからの害を防ぐためである。またクスノキなどもよい。
C琉球畳の原料となるイグサは太陽をいっぱいに浴びているので強くて丈夫である。ゆえに畳が痛み易い弓道場などで使用されることが多くなったが、そこには通常、縁無しの畳を使用するので琉球畳は縁無しの畳のことと思う人が増えたが、縁のある琉球畳も存在している。ちなみに当家の畳は縁有りである。
D沖縄の家が正方形に近い形をしているのは、台風で暴風が吹くための備えである。
E沖縄の家は雨戸が必需品である。当然、台風の被害を避けるためである。
F屏風塀に中門が設けられているが、これは家との縁を切る際に使用した。すなわち嫁出し、出棺、次三男の分家の際にのみ使用された。
G家には土壁を用いず板壁としている。これは暴風によって家がきしむため、土壁ではすぐに崩れてしまうからである。
H家の柱の根石には潮石(スーイシ)を使用している。この石は湿気を取り除いてくれるからである。



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