井芹家住宅
 


登録有形文化財 (平成16年2月17日登録)
熊本県八代郡氷川町宮原栄久31-15
建築年代/江戸時代末期(天保3年頃と推測)
用途区分/商家(造酒業)
登録範囲/主屋・門・外塀・土蔵・煉瓦塀
公開状況/公開
旧宮原町の役場前に建つ酒造業を営んだという商家建築である。当住宅は県下有数の大地主であった井芹家の分家が住した建物で「新宅」と称されていた。幕末天保期の建築と推定されるが、ちょうどこの頃に井芹本家は肥後藩から武家株を取得するなど家運の興隆期に当っていたようである。明治期に入って主屋北側に玄関や薬医門、防火用の煉瓦塀が設けられるなど、富商としての体裁を整える改築が若干行われているが、幕末期の大型町家建築として完成形に近い姿を今に伝えてくれている。

旗本・光永家の部屋住であった井芹平三の四男・三志が分家。天保期の5代平三が細川家より侍株を取得し、初代となる。主屋背後の宝蔵を解体した際に天保3年(1832)の墨書があったという。
大正13年に井芹銀行を創業。昭和17年に肥後銀行と合併。
主屋の北方に御成門を構え、主屋の北側妻面に設えられた玄関から直接、座敷へ上がれるようになっている。北側の隣家との境に煉瓦積の防火壁を建てる。

 

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