堀内家住宅 (御馬下の角小屋)
Horiuchi



 
熊本市指定文化財
熊本県熊本市四方寄町1274


熊本市の北郊、国道3号線に面して建つ当家は「御馬下の角小屋」として知られる御茶屋建築である。御馬下は旧村名、角小屋は角屋という屋号で質屋・酒造業を営んでいたことに因るもので、小屋は店を意味する言葉らしい。
現在の国道3号線は往時の豊前街道であり、藩主の参勤交代の際に休憩所として利用されたという由緒を持つ。ゆえに主屋は商売を行う店屋部分と、藩主の御成りの間である座敷部分から構成されている。
これまで3号線を走るたびに気にはなっていたが、主屋正面の大戸口は締め切ったままなので一般に公開されていないものだと思い込んでいた。しかしどうやら往来が激しいために閉じていただけのことで、屋敷裏手に駐車場まで備えて公開受付されている。
堀内家の由緒は元々、出雲国・松江城主に仕えた武士であったとのことであるが、江戸時代初期に流浪の末、当地で農業を始めたらしい。その後、近在の庄屋を務めるとともに、藩への献金により帯刀差傘御免となり、最終的には武家養子となり一時は赤木姓を名乗ることもあったとのことである。
主屋は昭和61年に町の文化財に指定された時に、国道3号線の改修工事に伴って2mほど背後に曳き家されたとのことであるが、往時の雰囲気をよく残し、素晴らしいものである。
後から増築された座敷部分を除けば、極端に土間部が広く、床上部は狭く簡素なものであるが、艶光する大黒柱や小屋の架構などは旧家としての面目を施すものである。

海軍体操の創始者・堀内豊秋大佐は当家の出身
旧北部町時代に文化財指定を受ける。。

 

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