荻本家住宅



 

丹生川右岸の河口近くに所在し、布石積の石垣で地上げされた敷地に現在は主屋のみが建つ。
主屋は幕末頃の建物と推定され、桁行7間、梁間5間半入母屋造平屋建。
西南に入母屋造の8畳奥座敷を付設し、北東に切妻造(以前は寄棟造)の釜屋を突き出す。
東南隅に式台玄関を構えることから、明らかに上層農家階級の建物と推察される。

坂ノ市は旧肥後細川藩領の在町であったところで、嘗ては市村と称した。愛媛街道と日向街道の分岐点でもあることから発展したらしいが、昭和53年から40年間に亘って実施された土地区画整理事業により完全に往時の風情は失われている。


 

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