池見家住宅
Ikemi



 
無指定・公開
大分県大分市佐野3452-2 (佐野植物園内)


高速大分道の大分米良ICの近くに植物園が開設されているが、この入口脇に近隣から移築復元されている民家である。そもそもは庄屋階級の大型民家で、大分県内では珍しく入母屋造りの堂々とした建物である。数年前から現在地に移築されていたが、近年植樹祭に合わせて周辺の庭園整備がなされた。おかげで建物の前に木が植えられてしまい写真が撮りづらくなってしまった。改悪である。「行政はとにかく理由を見つけて工事を行うのがお好きなようだ」と嫌味の一つも云いたくなる。さて主屋外観は遊び心に富んでおり、主屋の左右から小屋根が突き出されているが、左側が式台玄関で屋根は反り、右側は大戸口で屋根は起り、左側が式台玄関で屋根は反っている。なかなか心憎い演出である。内部は不可解な間取りとなっており、土間奥に茶室と上便所が設けられている。通常は反対側の座敷奥にあるものだと思うが、何らかの理由で無理やり作られたような配置である。ひょっとしたら移築前の土地が狭小であったため、窮余の策としたのかも知れないが移築された今となっては、全くの想像に過ぎない。




 

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