平井家住宅
Hirai



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大分県指定文化財 (平成9年3月25日指定)
大分県臼杵市祗園洲6-6
建築年代/安政6年(1859)

当家は臼杵観光の中心施設となっている旧藩主・稲葉家の下屋敷跡に隣接して所在する。町のほぼ中心部にあり、開発の波に飲まれることなく、よくぞ現代にまで残ったものである。今は公有化され、稲葉家下屋敷とセットで見学できるようになった。ただし一般の方には藩主の豪壮な屋敷を見た後では、ひどくつまらないものに思えるかもしれない、が実はなかなか大したものなのでゆっくりと見学して欲しいものだ。
藩政時代には稲葉姓の200石取りの中級武士の家であったという。明治以降に平井氏の所有になり、平井家住宅と称されるようになった。この家の興味深い点を幾つか挙げると、表に正式な玄関を設けず、土間内に本玄関、中玄関を設けること、床・違い棚・書院の三点セットから成る正式な座敷を設けず、簡略化された座敷を複数室持つこと、隠居屋が別棟で設けられていることなどである。民家というものは、生活感が魅力の一つだと常々感じている私としては、無味乾燥な藩主の御殿よりもこちらのほうが楽しめる。


 

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