日野医院
Hino Hospital



 
国指定重要文化財 (平成11年12月1日指定)
大分県由布市湯布院町大字川西字桑屋467-4
建築年代/明治27年
用途区分/医家
指定範囲/本館・離れ・病棟
公開状況/公開
このページには珍しく洋館である。規模も大きくはないし、決して瀟洒な建物という訳でもない。しかしこの地方における先駆的な医院建築として周辺住民の拠り所となり、人々の信望を担った建物である。この住宅は大分市の西方の山間部にある湯布院町の郊外に所在する。湯布院とくれば温泉であるが、しかしこの家の素晴らしさは温泉どころの話ではない。せっかく、こういう良いものがあるのだから、3度温泉に入るところを2度にしてきちんと見ておくべきだと老婆心ながら思う。写真の本館以外に裏手には家族の居室棟があり、北側には入院棟が配置されている。当時の先端的な病院建築がどのようなものであったかを現在にまでそっくり伝えてくれている。残念ながら現役は引退した建物ではあるが、目を閉じれば当時の息吹が感じられるような気がする。戸袋の鏝絵や玄関の支柱の彫刻など随所に凝った造作もあり、目を楽しませてくれる。




 

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