古賀家住宅
Koga



 
佐賀市指定文化財 (平成7年10月23日指定)
佐賀県佐賀市柳町3-15
建築年代/明治17年(1884)
用途区分/実業家邸宅(銀行頭取)
指定範囲/
公開状況/公開 【佐賀市歴史民俗館】

古賀家は江戸時代以来この地に居を構え、明治時代には銀行を設立したほどの当地方きっての素封家であった。
現在残る邸宅は、古賀銀行を設立する1年前の明治17年に建てたられたもので、上流武家屋敷の系譜を引く屋敷構成である。
表門を潜ると切妻破風の立派な式台玄関が目に飛び込んでくるが、背後には書院棟が接続し格式ある空間が演出されている。書院棟の西方には廊下で結ばれた母屋が全くの別棟として建てられている。
屋敷は旧長崎街道に面しており、現在でこそ人通りの少ない寂れた道路となっているが、往時には大勢の人々が行き交い賑わったことであろう。
屋敷の西方には洋式煉瓦造の古賀銀行本店が建てられ、一時期には九州五大銀行の一つとまで云われるほど繁栄した。しかし大正15年の取り付け騒動により休業を余儀なくされた後は、屋敷も売却され料亭として利用されるなど、変遷を余儀なくされた。明治の激動を乗り越えたかに思われた地方名望家の盛衰を今に伝える貴重な建物である。


 

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