坂本繁二郎生家 Sakamoto |
久留米市指定文化財 (平成15年7月28日指定) 福岡県久留米市京町224-1 建築年代/江戸後期 用途区分/武家(久留米藩御馬廻組・知行150石) 指定範囲/主屋 公開状況/公開 坂本繁二郎は大正期から昭和初期にかけて活躍した洋画家で、二科会の創設に参加し、美術界に対する功績から昭和31年に文化勲章を受章したことで知られる。JR久留米駅の西方に所在する当住宅は、明治15年に生まれた彼が東京に移住するまでの間、住まいした生家であるとともに、久留米藩に御馬廻組の藩士として仕えた坂本家の住宅として市内に唯一残された藩政期建築の武家屋敷でもある。屋敷地は久留米藩の居城・篠山城から西南の方向に位置し、主に中級武士が住した京町の一画、京隈小路の南端に間口18間、奥行25間の450坪の敷地を有していた。 坂本家は摂津国の出身で、関ケ原合戦後に筑後一国の大名となった田中吉政に仕え、主家の転封により三河国の岡崎より付き従い久留米に来住したが、元和20年(1620)に嗣子断絶により田中家が改易になると浪人となった。幸いにして正保2年(1645)に新たに久留米藩主となった有馬家に召し抱えられ、以後代々御馬廻役、知行150石の中級武士とし幕末まで浮沈無く過ごした家柄である。 茅葺の主屋は、一部2階建となっており、座敷や次の間といった接客空間を主軸に複雑な間取りが特徴的である。 |