岡家住宅
Oka



 
高知県指定文化財 (昭和60年4月2日指定)
高知県安芸郡田野町2147-1
建築年代/天保13年(1842)
用途区分/商家・本陣
指定範囲/
公開状況/公開

県東部の田野町に残存する御殿建築である。奈半利川河口部に営まれた田野浦は日本三大美林として名高い魚梁瀬杉の集散地として発達した湊町で、当家はここで材木商、廻船商として財を成し、田野浦随一の豪商として名を馳せ、幕末には藩への借銀融通などの功により独礼御目見を許された名家である。現在、屋敷は往時の半分程度の規模となり店舗・居室棟、土蔵群は既に失われているものの、残る藩主の領内巡見の宿舎に充てられたという御殿座敷や御成門の格式の高さは言葉を失う程である。

【メモ】
岡家は土佐藩より多額の献金により五人扶持、苗字帯刀御免、独礼御目見を許された田野五人衆筆頭の家柄である。
田野五人衆は、米屋岡家、福吉屋安岡家、蔦屋弘松家、常盤屋田中家、渋谷氏である。
安芸郡の魚梁瀬の材木を取り扱い、屋敷は藩主の参勤交代、領内巡視の宿所となった。
泉州から土佐藩主・山内家に従い、初代・岡徳左衛門から移り住んだことが始まり、材木、廻船、酒造、質屋、地主として活躍。
敷地は現在の倍の広さもあったという。御殿は天保15年(1844)の建築、城下から遠く離れた雛たる場所にありながら、稀に見る格式の高さである。


 

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