末永家住宅 Suenaga |
登録有形文化財 (平成15年1月31日登録) 愛媛県大洲市長浜甲309 建築年代/明治(1884) 用途区分/商家(回漕業) 登録範囲/主屋・百帖座敷 公開状況/公開 それまで海岸沿いを走っていたJR予讃線が長浜駅を通過すると、大きく90度カーブして今度は肱川に沿って大洲方面に向かう。交通の要衝として申し分の無い立地条件にある長浜の町は伊予灘に面する肱川河口右岸に形成された大洲藩の外湊で肱川の水運を利用した物資の集散地として江戸中期以降、急速に発展した。昭和10年8月完成で日本最古の可動式道路橋として有名な長浜大橋の袂近くに所在する当家は回漕業を営むとともに穀物、木材、肥料等の販売により事業を拡大。町内有数の豪商に成長した。明治期の当主である末永四郎平は町議会議員を5期務めたのち、町長に就任。当地の名士として活躍した。最近修復された主屋は本瓦葺の切妻屋根に2階外壁を灰漆喰の塗込めとし、腰壁に海鼠壁を施した重厚感のある建物。また主屋の北側に附属する昭和2年建築の百帖座敷は大回漕業の接客空間に相応しく、折上格天井の18畳の座敷となる。 メモ 折上格天井には合板を使用。併せてシャンデリアを吊るすなど先駆的な試み。 百帖座敷は栂材等を使用。店屋は1階は店舗兼住宅、2階は当初は物置、のちに居室として使用。 四郎平の町長就任は昭和10年(1935)のこと。 |