末光家住宅 Suemitsu |
西予市指定文化財 (平成15年10月28日指定) 愛媛県西予市宇和町卯之町3-179-2 建築年代/明和7年(1770) 用途区分/商家(酒造業・醤油醸造業) 指定範囲/主屋 公開状況/公開(但し月1回程度) 大洲と宇和島の中間位置にある宇和町の中心集落・卯之町は、宇和盆地に産する物資の集散地であるとともに宇和島街道の宿駅として発展した在郷町である。特に中町周辺は江戸期の建物がよく残り、平成21年には重伝建地区に選定されている。当住宅は地区の中心部に所在する商家建築で、清澤屋の屋号で江戸中期頃から酒造業を始め、大正中期から昭和初期にかけては醤油の醸造販売業を営んだ。明治中期に屋根を本瓦から桟瓦に葺き改めたため大型の町家建築でありながら軽快な印象である。 中町の通りに面して建つ江戸期の住宅兼用商家建築。平入2階建で正面の間口8間に持ち送りが9つ並び、見応えがある。 末光家は、元々は坂戸村の出身であったが、天正15年(1587)に清澤村の庄屋を命じられる。その後、末光三郎右衛門保敏が庄屋職を弟に譲り、宝永6年(1709)松葉町に移住し、清澤屋の屋号で酒造業を始める。開明学校保存に貢献した元伊予銀行頭取・末光千代太郎の生家でもある。現建物は、同家に保存されている「家普請所事控帳」によると、享保元年(1716)の大火による焼失の後、明和7年(1770)に三郎右衛門保宣が建築したとされる。創建時の1階平面は、座敷、店、居室・土間に分けられ、そのまま現在に伝えられている。蔀戸や嵌め殺し式の障子など古い形式が健在している。また中店の土間と部屋を仕切る格子戸を収納する回転式戸袋や、階段箇所にある1、2階を区分するシャッター状の木製仕切りなど職人技の工夫も多い。一方、2階は当初つし2階として物置空間となっていたが、明治28年(1895)頃に家業の発展、家族の増加などによる改修時に3部屋の居室となった。【西予市HPより】 |