毛利家住宅
Mouri



 
宇和島市指定文化財  (平成6年1月13日指定)
愛媛県宇和島市三間町是能419
建築年代/宝暦3年(1753)
用途区分/農家(庄屋)
指定範囲/主屋・長屋門
公開状況/公開
愛媛県南部の中心都市・宇和島より北東の方角に少しばかり入った山間地に中世からの田園景観を残すと云われる三間盆地がある。四周を山に囲まれた隠れ里のような穏やかな風情に満ちた美しいところであったが、つい先頃、高速道路が通ったため、随分と様子が変わってしまった。当住宅はこの盆地の西端にある是能集落に所在する旧庄屋屋敷である。屋敷地は階段状に造成された狭い谷間の最も高い位置にあり、背後に山を背負い、正面には長大な長屋門を構える様子はまるで戦国時代の砦の体である。長屋門の背後には狭隘地であるにも関わらず広い前庭が広がり、その奥に県内では珍しい座敷部を突き出した角屋造の主屋と立派な土蔵が端座している。寂然とした風情が心地よい。

背後に山が迫り、正面には池と田畑が広がる風水的にも宜しかろう風情の場所である。屋敷地一杯に構えられた長大な長屋門は庄屋としての威厳を演出している。屋敷へと続く坂道を登ることさえも恐れ多いような気持ちになる。門を潜り石段をさらに上ると県内では珍しい曲屋の主屋が目に飛び込んでくる。


 

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