日下家住宅 Kusaka ![]() |
香川県東かがわ市 20年以上前に発行された週刊誌の特集記事「日本の旧家拾集」には、「日下家は、室町時代からこの地に住み、江戸時代は、名字帯刀を許され(中略)高松藩主がしばしば訪れ、この家は宿泊所として使われた。」と記載されている。 しかし引田町史には、代々にわたり引田村及び馬宿邑の庄屋を務めるとともに大内郡の大庄屋をも務めたこと、初代は寛永7年(1630)に没した彦右衛門であることなどが記載され、内容に相違するところがある。 引田村は面白いところで、地方、浦方、町方の3つが混在する土地柄で、村方支配機構として、代官-大庄屋-庄屋-組頭が当たり、浦方支配は、御船手-浦庄屋-町頭-浦年寄が組織されていた。日下家は村方の大庄屋・庄屋と浦方の浦庄屋を兼帯し、別格の存在であったことが想像される。古文書で遡ることができる当家の人は、元禄7年(1694)の佐左衛門で大政所(大庄屋)をしていたことが判る。 長屋門は、20m×3.9mの規模で、出桁造の軒下まで白漆喰で塗り籠める重厚な建前。両開戸の主扉に両脇にに潜り戸を備えた本格的なもの。江戸末期の建築とされる。 |