吉田家住宅
Yoshida



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美馬市指定文化財 (平成11年4月2日指定)
徳島県美馬市脇町字脇町53
建築年代/寛政4年(1792)
用途区分/商家(藍商)
指定範囲/主屋・質蔵・藍蔵・中蔵
公開状況/公開

昭和63年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された脇町南町に所在する商家建築である。本瓦葺の屋根に袖卯建を備える大壁造の重厚な家並みで知られる脇町は讃岐や伊予方面に繋がる交通の要衝として発展した在郷町で、此の地で当家初代の吉田直兵衛は寛政4年(1792)に藍玉や米麦の販売を開始し、屋号を「佐直」と称した。享和元年(1801)には苗字帯刀御免、天保元年(1830)には郷士身分である壱領壱疋に取り立てられるなど短期間で著しい成長を遂げ脇町屈指の豪商としてたちまちに知られる存在になったようである。屋敷地は間口11間、奥行き30間を有し、屋敷背後には吉野川が迫り、船着き場へと下る雁木階段が設えられている。吉野川の対岸から当住宅の裏手を臨むと岸に迫り出すように築かれた石垣上に藍寝床や離れが建ち並ぶ姿は相応に美しいものである。反対の北側の街道に接する主屋は創業時の建築である東棟に続き、幕末の慶応年間に至るまでに西棟、南棟を建て増し、東西南の三棟から成る。特に西棟は家格の上昇に見合った接客空間を整備したもので、その造作は念の入った素晴らしいものである。



 

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