真野家住宅 Shinno ![]() その他の写真 |
国指定重要文化財 (昭和55年1月26日指定) 広島県三次市小田幸町大平122-480 (風土記の丘公園内) 旧所在地・広島県世羅郡世羅町 建築年代/17世紀末 用途区分/農家 指定範囲/主屋 公開状況/公開 三次市の南方にある世羅町から移築された民家である。移築民家は個人的にはあまり好きではないが、移築先である風土記の丘の景色は非常に雄大で、ゆったりとした雰囲気があり、例外的に悪くないと思っている事例である。移築され端正な姿に復元されたことや、周囲の景観からも切り離された為なのか非常に古い家であるにも関わらず、外観を見ている限りでは判らない。 内部に入ると、土間と床部のバランスや柱の建て方などから実は古式を残していることに気付かされるが、難しい話は抜きにして一日中丘の上で遊び、疲れたら縁側でゆったりと日向ぼっこして過ごしたいところである。 「八坂書房刊 宮本常一著 聞書 忘れえぬ歳月 西日本編 広島県世羅郡世羅町」の項で町内で一番古い民家てあった戸張勘屋谷の真野啓太郎家を訪ねたことが記録されている。 それによると真野家は大阪城の東の門を守っていた真野豊後守を祖先とし、江戸初期の大坂夏の陣に敗れて当地に落ち延びてきた一族であることが記されている。帰農後は農業を主とし、醤油屋をしていたという。戸張の組頭や甲山、本郷の庄屋をしたこともあるという。耕地は1丁5、6反持っていたが盛衰はほとんどなかった、とのこと。 |