金子家住宅
Kaneko



 
呉市指定文化財 (平成23年4月28日指定)
広島県呉市豊町御手洗字常盤町
建築年代/
用途区分/庄屋役
指定範囲/
公開状況/非公開

重伝建地区に選定される大崎下島の御手洗集落に所在する商家建築である。屋敷は集落最大の遊郭であった若胡屋の通りを挟んだ対面に位置し、恐らくこの辺りがかつては集落の中心であったと推測されている。当家は三笠屋の屋号で江戸期には庄屋役を、昭和初年からは郵便局長を務めた家として知られている。建物は茶室や数寄屋座敷、長屋門など複数の用途から構成されるもので、歴史的にも幕末維新の際に長州藩と安芸藩が秘密裏に軍事協定(御手洗協定)を締結した舞台として知られる。また、嘗て当家の別宅が胡子神社脇にあり、広島藩の儒学者・頼杏坪が滞在し、「松月楼記」を著したとのことである。

(御手洗条約)
薩摩、長州、広島藩で討幕同盟が慶応3年(1867)に結ばれたが、徳川慶喜が大政奉還したことを受け、薩摩、長州藩は上京出兵を計画。広島藩諸兵総督・岸九兵衛と長州藩家老・毛利内匠が当住宅で会見、その際に広島藩は長州藩兵を大阪に護送、大阪における役割分担を協定した。

平成29年10月に修復工事が行われた。





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