杉原家住宅
 Sugihara



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岡山県指定重要文化財 (昭和31年4月1日指定)
岡山県岡山市足守町山下752
建築年代/江戸時代
用途区分/武家(家老)
指定範囲/主屋・長屋門・蔵
公開状況/公開

「足守」は岡山市の郊外、15kmほど北西にある小さな町である。国道429号線から左に折れ、町内に足を踏み入れると、町の規模に似つかわしくない重厚な町家がメインストリートに沿って軒を連ね、思いもかけぬその様に少々驚かされる。地元の方に聞くところによれば、数代前の町長さんが町並の保存に熱心に取り組まれたゆえに、古い町並が残されたとのことであるが、そもそも足守という町は、藩政期においては木下家25000石の城下町として発展した町であった。藩主・木下家は云わずと知れた豊臣秀吉の正妻「ねね」の出里であるが、杉原家はこの木下家とは縁戚関係があるとともに、藩政時代には家老職を務めた家である。一般の農家とは異なり、長屋門を潜ると主屋までの距離が極端に短い。桁行方向に長い主屋の正面には唐破風の大玄関を設ける辺りは、武家住宅としての面目である。家老の屋敷とはいえ、小藩なので実に簡素なつくりであるが、やはり座敷や庭園などはなかなか立派なものである。時代劇に出てくる悪徳家老のような豪壮さを期待していると拍子抜けするが、脚色抜きの現実を知るには良い材料である。


 

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