柳原家住宅
Yanagihara



 
島根県指定史跡 (昭和49年12月27日指定)
島根県大田市大森町新町
建築年代/江戸時代(文化年間)
用途区分/武家(代官所同心・7石2人扶持)
残存建物/主屋・土蔵
公開状況/非公開

大森銀山町の中心部に残る武家住宅である。当家は初代・庄右衛門が慶長19年(1614)に2代目銀山奉行の竹村丹後守源兵衛によって召抱えられたという銀山地附役人の家柄で、7石2人扶持の口留蕃所勤務の代官所同心であったという。銀山開発初期には地附役人の待遇条件は相応のものであったが、しかし江戸中期以降は扶持米の大幅な切下げが行われその地位は大幅に低下することとなる。寛延4年(1751)に天野助次郎代官の時、幕府御家人と地役人との間で禄高と格式において逆転現象が起きたことにより、改めて地役人の身分直しを図るため地役人を召し放ち、再雇用するという施策が打ち出されたのである。当家も多分に漏れず、地役人召し放ちに遭い、寛政11年(1800)に同心として改めて15俵2人扶持で新規召抱えられることとなる。
住宅は道路よりかなり後退して建てられ、かなり質素な建前ではあるが、それでも建物正面に式台玄関を設けるあたりは武家の面目である。


 

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