並河家住宅
Nabika



 
島根県指定文化財 (平成9年3月28日指定)
島根県安来市安来町西小路1689
建築年代/天明3年(1783)
用途区分/商家(酒造)
指定範囲/主屋・土蔵・宅地
公開状況/非公開
島根県東部の安来町は奥出雲地方に産する和鉄の積出港として古くから発展した土地柄である。江戸時代においても松江藩のみならず周辺の母里藩、広瀬藩における鉄や米の集散地として繁栄を維持し、俗に「安来千軒」と謳われた。
安来町は当初は出雲街道に沿って市場町、西小路、東町が形成され、安来港を中心とする海上交易が重要になるにつれ、東町から港に向かって西新町や東新町が拡がった。

当住宅は町の中心部に位置し、間口20間、奥行40間の町内では群を抜く広大な敷地を有する屈指の旧家である。入母屋造二階建、妻入塗屋造の主屋は、屋根の破風に亀甲紋の平瓦を張り、二階の腰壁にも十字形に漆喰飾を施す平瓦を張るなど防災に配慮すると同時に上品で美しい外観を呈している。

元禄年間には既に現在地の西小路に屋敷を構え、酒造業を営むとともに町年寄の役職をも務めていた。
家屋は宝暦明和年間の大火に類焼し、天明3年(1783)に3年の歳月を費やし建てたものである。
屋敷は元禄11年には間口11間、奥行き17間であったが、嘉永3年の家相図には間口20間、奥行40間となっており、約4倍程にも屋敷地が拡大されている。

「勝鐙」酒造元




 

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