岡田家住宅
Okada



 
国指定重要文化財 (平成4年1月21日指定)
兵庫県伊丹市宮ノ前2-193
建築年代/延宝2年(1674)
用途区分/商家(酒造業)
指定範囲/店舗・酒蔵
公開状況/公開
大阪国際空港の西方に所在する伊丹は、戦国武将・荒木村重の居城・有岡城の旧城下町を中心に酒造で栄えた土地柄である。東方を流れる猪名川の伏流水と先進的な醸造法の開発により江戸中期まで江戸市中で販売される下り酒の大半を伊丹酒が占めたと云われる程で、現在でも著名な剣菱や白雪、大手柄などの銘柄は伊丹酒を源流とするものである。当住宅は、市の中心部、旧米屋町に所在する商家建築で、17世紀にまで年代が遡る最古級の建物である。往時の所有者は松屋与兵衛なる人物で、当初から酒造業を営むことを目的に建てられたが、江戸期における酒造業の浮沈は激しく、その後の所有は鹿島屋、安藤家、岡田家と変遷を重ねた。桁行15.4m、梁間15.9mの堂々たる建物で、内部は改造が著しく居宅としての機能は早くに除かれているが、初期の酒造の歴史を物語る住宅として興味深い。





 

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