河合家住宅
Kawai



 
国指定重要文化財 (昭和51年5月20日指定)
奈良県橿原市今井町1-7-8
建築年代/18世紀後半
用途区分/商家(酒造業)
指定範囲/主屋・納屋
公開状況/店舗として営業中

河合家は、順明寺が16世紀末期頃、今井町に移ったとき、橿原市上品寺町の上田家より分家移住したと伝えられ、「上品寺屋」の屋号を持ち、古くから酒造業を営み、現在に至っています。
主屋は、18世紀中頃に建てられたとみられ、東北隅に接続する細長い「納屋」の2階は杜氏の宿泊所、1階は休憩所、風呂、便所で、19世紀中頃改築されたものです。2階建の主屋は、今井では古い遺構であり、1階の根太天井を低くして、2階に座敷を整えています。2階天井は簀子天井、棹縁天井とし、座敷は床、棚、書院を付加しているのが注目され、その豪商振りが窺われます。1階は六間取で、「ナカノマ」「ダイドコロ」を同じ今井町内の重文・旧米谷家住宅と同様、半間土間側に張り出しており、「シモミセ」前面は、半間張り出さず、土庇としているのは、同じく重文・上田家住宅の当初の構えと類似しています。
当家は、後補の改造はありますが、屋根、壁、太格子等は重厚で、随所に「ヤリガンナ」の仕上げや帳台構の痕もあり、古式を残しています。先の修理では、半解体工事とし、復元は避け、現状のまま修理しました。
明治10年の天皇行幸の際、道路拡張に伴って1階正面通りを引っ込め、上下の軒先部分を切り縮められているのが惜しまれます。【現地案内看板より一部改編】





 

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