手塚家住宅
Tezuka



 
国指定重要文化財 (平成19年12月4日指定)
長野県塩尻市奈良井379
建築年代/天保11年(1840)
用途区分/問屋
指定範囲/主屋・別棟座敷・土蔵
公開状況/公開
重伝建に選定される中山道奈良井宿は上、中、下の三町から成り、当住宅は中町の中程に所在する旧問屋建築である。宿には上下二軒の問屋が置かれ半月交替で役儀を務めたが、当家は上問屋を江戸初期より世襲するとともに庄屋をも歴任するなど町で重きを成した存在であった。屋敷地は町場だけに鰻の寝床状の縦長で、主屋も間口12.4mに対して奥行きは別棟座敷まで含めると30m程にもなる奥の深い建前となっている。主屋から廊下を介して座敷に至る導線は旧家の秘密を覗き窺う様な錯覚に陥る程である。



【文化庁報道発表】
手塚家は中山道の旧奈良井宿において、江戸時代を通じて問屋を主とする宿場内の要職を代々務めた。中山道に面して建つ主屋と、後方に接続する別棟座敷が天保11年(1840)に建てられた。主屋は、1階に問屋業のための会所を設け、これとは別に、上客のための玄関と、洗練された意匠を持つ座敷を備えている。手塚家住宅は、建築年代が明らかで、江戸時代末期の木曽地方における問屋建築の姿を留めるものとして高い価値があり、また重要伝統的建造物群保存地区に選定されている塩尻市奈良井の宿場町を代表する町家建築である。

 

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