小野家住宅
Ono



国指定重要文化財 (昭和48年6月2日指定)
長野県塩尻市塩尻町39
建築年代/江戸時代(嘉永3年=1850)
用途区分/商家(旅籠)
指定範囲/主屋・文庫
公開状況/非公開
当家は江戸時代の主要街道の一つであった中仙道の塩尻宿中に所在する旅籠建築である。かつての中仙道は現在では国道153号線と無味乾燥な呼称へその名を変え、トラックが唸りをあげて爆走する。宿場は風情も何も無い場所へと変貌してしまっている。場所の劣悪な雰囲気も手伝ってだろうか、正直に云って当家を訪れても何の感動も起こらなかった。外観から何の変哲もない町家建築としか思わなかった。私の勉強不足だったのかも知れないが、これは非常に悲しいことであった。実は当家の白眉は建物内部にあることは事前に本を読み、知っていたのである。旅籠建築ゆえに内部の座敷は宿泊客をもてなすために趣向を凝らしたものとなっていること、床柱から伸びるように天井いっぱいに桜の絵が描かれていることなど。残念ながら当家は内部は非公開であった。いつの日か再び訪れる機会を得た時には、是非とも座敷にくつろぎ、旅人の気分を満喫させたいものである。


 

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