堀内家住宅

国指定重要文化財 (昭和48年6月2日指定)
長野県塩尻市堀ノ内117



 
建築年代/江戸時代(19世紀初頭)
用途区分/農家(名主)
指定範囲/主屋・表門
公開状況/外観のみ公開
当家は旧中仙道塩尻宿の少し外れに所在する旧庄屋住宅である。冠木門を潜ると広い前庭を介して正面に美しい主屋が現れる。妻側を正面にとる切妻造の板葺きの独特な風情の建前は「本棟造」と呼ばれ、信州地方にしか見られないものである。江戸時代の半ば頃から現れた建前で、一般の民家とは著しく異なる姿は富の象徴として主に庄屋階級で流行したらしい。現在でもこの形式に対する信州人の憧憬は残されているようで、新築住宅でもこの形式で建てられている例を各地で散見する。
私がこの家を訪れた回数は5〜6回をくだらないが、いつ見ても美しく飽きないものである。信州に残された本棟造の白眉とも云える建物である。主屋は遠目には軽快な印象を持つが、近づいてみると軒の出が深く圧倒される。正面だけであれば、見学は自由のようなので民家好きならば、ぜひとも一度は訪れておきたいものである。



 

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