馬場家住宅

国指定重要文化財 (平成8年12月10日指定) 
長野県松本市内田357-6




 
当家は松本平野の東側に位置するなだらかな丘陵状の高台に所在する。
写真を見てお判りのとおり、当家の主屋は前項の堀内家と主屋と非常に類似する「本棟造」と呼ばれる上層階級にのみ許された形式である。全体的に軽快な印象が深く、堀内家と比較して軒の出も浅く圧倒されるような感覚はない。時代的にも新しいものの為か、やや形式に走った硬さが見られる。個人的な好みからは堀内家に迷わず軍配を挙げたい。しかし主屋内部は年代が新しいこともあって、かなり斬新な意匠となっている。座敷の造作や入側廊下の天井などは江戸の熟達した建築技術と遊び心が習合したなかなかのものである。また屋敷構えについても、表門や蔵などの付属建物をよく残しており、屋敷全体に漂う旧家たる風格を今でも充分に感じさせてくれる。正面に構えられた表門はまるでどこかの陣屋門のように規模も大きく威厳に満ちたものである。現在は建物は公有化され、一般に公開されているので気軽に立ち寄ると良い。




 

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