坂本家住宅
Sakamoto



 
無指定・公開
岩手県胆沢郡金ヶ崎町西根諏訪小路9
建築年代/天保元年(1830)
用途区分/武家
残存建物/主屋
公開状況/公開
旧仙台藩領北辺の藩境に位置する金ヶ崎に所在する旧武家屋敷である。仙台藩は領内の支配制度として地方知行制を採っており、上級家臣は要害拝領、所拝領、在所拝領、在郷屋敷の区分により家格に差異を付けられていた。金ヶ崎は藩内に21ヶ所ある要害の1つで大町家3000石の預かり地であったが、その城下町には大町家の家臣だけでなく、伊達家直属の家臣も配されていた。当家は伊達家の在郷足軽で金ヶ崎城下の矢来町に住していたが、文政末年(1829)に邑主・大町氏の小姓組に取り立てられ、天保元年(1830)に現在の屋敷地を拝領したという。伊達家直臣の足軽身分でいるよりも陪臣ながら大町家の平士となる方が、栄誉なことだったのであろうか。実際、現在の平士住区は矢来町の足軽住区よりも屋敷割は広くゆったりしており、当屋敷は560坪もあり、主屋は桁行8間、梁間4.75間の喰い違い四間取の中規模なものながら式台玄関を有するばかりでなく、床の間付の座敷をも備えた格式高いものとなっている。武士とはいえど藩公の目見得さえない身分では、花より団子なのかもしれない。




 

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