大沼家住宅
Oonuma



 
金ヶ崎町指定文化財 (平成14年7月1日指定)
岩手県胆沢郡金ヶ崎町西根達小路31-2
建築年代/18世紀末頃
用途区分/武家
指定範囲/主屋・馬屋
公開状況/公開

江戸時代、県南地域を領した仙台藩では領内の重要拠点に要害を構え、地方知行制によ.る高禄の家臣を配して自治を執らせた。そのうちの1つ、藩領の北辺に位置する金ヶ崎は南部藩に対する備えとして、伊達一族に列する大町家3000石の支配地であった。要害には家臣が集住する城下町が形成され、奥州街道筋には町場も形成された。当住宅は領主の居館跡である二の丸に近接する片平丁に所在する武家住宅である。18世紀末頃の建築と推定される主屋に隣接して明治30年代建築の馬屋が並び建つ。現在は更に馬屋の横へ厠を新築し、三棟の建物が横一列に並んでいる。このような形式を地元では「三ツ屋」と称するらしい。当家の身上は小禄で、半農半士的な生活を送っていたとされる。それゆえ建物も非常に質素で、武家らしく簡単な床を備えた座敷が設えられてはいるものの、天井を張らずに小屋裏が露出したままである。ただ主屋の背後にはイグネと称する屋敷林が残り、前面には往時のままに畑地が拡がり、風情の良さは格別である。



 

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