中村家住宅



 
国指定重要文化財 (昭和46年12月28日指定)
岩手県盛岡市愛宕町14-1
旧所在地・岩手県盛岡市南大通2丁目8番5号
建築年代/文久元年(1861)
用途区分/商家
指定範囲/主屋・土蔵・はかりば
公開状況/公開 
盛岡市の外環道となる国道4号バイパスを北上し中津川を渡った右手、愛宕山の麓に嘗ての旧藩主・南部家の下屋敷跡(現在は中央公民館)がある。当住宅はその一画に移築保存されている商家建築である。そもそもは盛岡城下の惣門に近い南大通の新穀町に所在しており、旧奥州街道に面して糸や綿布などを扱い、「糸屋」や「糸治」の屋号で知られる老舗呉服商であった。初代は遠野市の旧宮守村出身で天明2年(1782)に盛岡で商売を始め、南部藩の特産である紫根染を一手に商うなどにより大店に成長したとのこと。主屋は文久元年(1861)の建築であるが、隣接する「はかりば」や「土蔵」は明治20年以降に建て替えられたものである。主屋の左手に通り庭が奥まで続き、表側一杯にミセを構え、その奥に田の字型に座敷が配されている。内部は陸奥ならではの力強い意匠を基調に町家らしく洗練された設えで、非常に魅力的な町家建築である。
 



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